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ダイレクトメール ネットでの広告宣伝としては古典的な手法。費用対効果の観点からはやや疑問アリ。品質が重要。 |
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ここでは、既に自ショップの顧客である消費者に案内のメールを出すことと区別して、新規顧客獲得を目的としてダイレクトメールを考えます。 新規顧客の獲得ということですから、当然に、自分が保有しているお客様のメールアドレスにメールを送信する訳ではありません。また、第三者からメールアドレスを購入してそのメールアドレスに広告を出すということも現実的ではありません。(送信許可を貰っていない相手にメールを送信する場合は「特定商取引に関する法律」によりメールタイトルに「未承諾広告※」の記述が義務付けられており、これだけで貴ショップのイメージダウンですから実質的な選択肢ではありません。「100万メールアドレスをたったの1万円で!」というようなダイレクトメールがよく届きますが、こんなものを絶対に買ってはいけません。) そうすると、消費者宛にメール送信の承諾(パーミッションと呼ばれます)を貰っているダイレクトメール送信業者に有料でメール配信を依頼することになります。 メールの種類には大きく分けてテキストメール(従来の通常メール)とHTMLメールの2種類があります。一般にHTMLメールの方がクリック率が高いと言われますが、ブロードバンドを利用していない消費者にはサイズの大きなHTMLは迷惑なので注意が必要です。(「HTMLメールで受け取る」と意思表示している消費者以外にはテキストメールを送信すべきです。) また、1つのメールを丸ごと自ショップの宣伝に使う「全文広告」型のメールと、メール本文の中に3〜5行の広告を挿入するタイプの「5行広告」型のメールが存在します。 さて、今ここに実際にダイレクトメールに5行広告を出稿したデータがありますので、それを元に収益性の分析をしてみたいと思います。(以下では3つの事例の平均値を利用しています。) あるメールマガジンに5行広告を出しました。単価は1メールあたり0.4円と安い部類です。このメールマガジンを購読している読者層と広告宣伝をしたいセグメントは重なり合っています。 広告は全部で20万通を出しました。 広告宣伝費用は80,000円になります。 来訪者は198人で実際のクリック率は約0.1%でした。 ここからのコンバージョン率は測定できていないのですが、甘めに見積もっても10%を超えることはまず無いと思われます。 したがって購入者は20人、購入額(売上高)は80,000円であり、利益はその40%である32,000円しかありませんでした。つまり、広告費80,000円−利益32,000円=48,000円の赤字だったわけです。 図示すると下記のようになります。 ![]() もちろん、これはある特定の条件下で起きたことに過ぎません。 もしかすると広告宣伝文が稚拙であったかもしれません。また、クリック率が実測値で0.1%しかありませんでしたが、業者によっては「弊社実績では3%」等と謳っている場合もあり、もしそのように30倍のクリック率があれば今回の宣伝広告も完全な黒字となっていました。 5行広告等は予算が数千円から始められるので敷居が低く、つい安易に申し込んでしまうケースが多くあります。 もちろん、使い方によっては有効な広告宣伝手段でしょうが、クリック率もコンバージョンレートも広告主の自己責任であるという点は肝に銘じておきましょう。(PPC広告がクリックを保証し、アフィリエイト広告がコンバージョンまで保証しているのに比べると、ダイレクトメール広告はリスクが高いことが分かります。) 少なくとも、広告を出す前に、該当のメールマガジンの属性や過去の実績について詳しいデータの開示を求めるべきだと思います。(詳しいデータを公開できるDM業者は信頼性があると言えるでしょう。) また、クリック保証型のダイレクトメール広告もあるようなので、併せてご検討するのが宜しいかと思います。
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